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クリーンファクトリー物語

コルクから
プラスチックへの大転換期

取締役会長 斉藤 恵三

私の父、斉藤守三は創業当時はコルク製品を作っていました。その頃は、東京や大阪に同業者が何社もあって、その中の1社がコルク栓に代わり、ポリエチレン樹脂を使ったものを発売していました。俗にいうポリ栓です。父はポリ栓を見た時、間違いなく業界の流れは変わっていくと感じていたようです。私はその頃、高校生でしたがポリ栓を見た時に、「自分がこの事業を受け継いでもいいな」と思いましたね。それは「おまえプラスチックやるか」という父の言葉がきっかけでした。

ほどなくして、コルク栓を作っていた同業者がけっこうプラスチック成形加工業に変わっていきました。私も、可塑性樹脂、いわゆるスチロールを材料としたもので薬の容器を作ろうとプラスチックの勉強をしようと思いました。

創業者 斉藤 守三
創業者 斉藤 守三
新聞広告(昭和39年頃)
新聞広告(昭和39年頃)

最初に作ったのは清涼剤容器でした。当時で言えば「仁丹容器」ですね。続いてある製薬会社さんから「目薬容器を作ってほしい」と言われ、ポリエチレン樹脂容器の製造も始めたわけです。それが今日の斉藤製作所のスタートとなったのです。

目薬容器(昭和48年頃)
目薬容器(昭和48年頃)
常務取締役 斉藤 俊雄

当時の仁丹といえば大阪の大手薬品メーカーが製造していましたが、その後、富山の製薬メーカーも清涼剤を作り始めました。

取締役会長 斉藤 恵三

ある時、清涼剤容器の軽量度や円盤型が特許違反ということで、大手薬品メーカーから富山の製薬メーカーへクレームが入りました。それでうちの父が大阪の大手薬品メーカーへ直々に出向き、談判したんです。そうしたら弁護士が出てきて、「富山の製薬メーカーの薬はインチキ商品だ」と言ったわけです。その言葉を聞いた父が怒りましてね、「インチキとは何事や!厚生省から許可をもらって製造しているんやから、そんなこと言われる筋合いはない」とくり返し反論しました。そうしたら、その気迫に圧倒されたのか向こうの弁護士もすぐ取り下げましたけれどね。

その当時、大手薬品メーカーに「その形状はうちの登録だ」とか言われたら、普通は「はいはい」と従っていくものだけど、うちの父だけは頑として譲りませんでした。大阪から帰って来て、富山の薬品連合会の方々にその話をしたら、「よくぞ言ってくれた。」「がんばって欲しい」と皆さん支援してくれました。この話は父から何度も聞かされましたね。

薬業界は国の基準に基づいて薬品を製造しているので、決してインチキの商品を作っているわけではないですからね。
うちの父はそういう点は非常に厳しかったです。私が今日こうやって薬の容器を作って、製薬メーカーから今も支持をいただいてやってこられるのは、父のこの教えのおかげと思います。コルクからプラスチックへの大転換期にこういう秘話があったのです。

赤田工場から
クリーンファクトリーへ

取締役会長 斉藤 恵三

私が専務の時、工場を赤田(富山市)に作りました。しかしながら、赤田工場が手狭になってきたので、現工場に1994年移転したのです。現工場ではプラスチック容器のみに力を入れていますが、赤田工場はコルク栓もまだ作っていました。

新しい「クリーンファクトリー」を考え始めたきっかけは、製薬メーカーがGMP(グッドマニファクチャリングプラクティス)という薬を作る基準で生産することになってきたことです。一言で言うと、「きれいな環境を作りなさい」ということなのです。そこで、私どもも目薬容器を作るために「クリーンルーム」を作ろうということでこの工場を作ったのです。
「クリーンルーム」の中で薬容器を作るということで、みんなにわかってもらいやすいようにキャッチフレーズを「クリーンファクトリー」と命名しました。

常務取締役 斉藤 俊雄

そうですね、当時はまだ創業者(先代:斉藤守三)もいらっしゃって、いろいろアドバイスをいただきながら、創業者とお二人でビジョンをまとめていかれたと思います。「クリーンファクトリー」については会長も大賛成でした。
赤田工場の周囲は市街化強制区域で住宅が建ち始めて、工場の建築許可も下りない状態で、実質、工場の拡張はできない状態でした。
生産性を上げようと思えば赤田工場では手狭でしたね。

赤田工場(昭和48年頃)
赤田工場(昭和48年頃)
取締役会長 斉藤 恵三

その頃から新工場建設の構想を立てながら、同業者の工場もいくつか見せてもらいました。プラスチック見本市を見たり、富山県中小企業モデル工場のつながりであちこちの会社を見学させてもらったりして、他社の良いところを見て参考にしました。
新工場の建設は会長と私だけではなく社員も楽しみにしていたと思います。

新工場稼働当初の話

代表取締役社長 齊藤 行男

新工場に移転してすぐに生産体制に入ることができました。

取締役会長 斉藤 恵三

工場ができてから、短時間で生産体制に入れる電気、冷却水、エアーを繋げばすぐに生産できるようにあらかじめ段取りはしていましたからね。

常務取締役 斉藤 俊雄

おかげで新工場は思った以上にスムーズに立ち上がりましたよ。3日くらいで。赤田工場から移設してすぐに量産体制に入れましたから。

新工場
新工場
代表取締役社長 齊藤 行男

新工場では、「クリーンファクトリー」を実現するため、大きな決断で最新設備を導入しました。

取締役会長 斉藤 恵三

エアーシャワー、クリーンルームなど、赤田工場にはなかった設備を導入しましたね。また、生産効率を上げるためにフロアー設計にも工夫しました。

代表取締役社長 齊藤 行男

その中でも力を入れ導入した設備は、最新のブローの成形機でした。これは、新工場における業務拡大、技術力向上という意味でとても重要でした。

取締役会長 斉藤 恵三

やはり薬容器をやるにはブロー成形が必要です。それまでプラスチック成形といえば、ほとんどが射出成形機が主体でした。しかし我社は1960年からブロー成形機を導入し目薬容器製造をスタートさせていました。最新のブローの成形機の導入も、今までの経験が役立ち新工場ではすぐに生産体制に入れました。現在では長年の技術が積み重なって、接着剤の容器も作れるようになりました。

代表取締役社長 齊藤 行男

長年の経験によって培われたブロー成形の技術は、我社にとって何ものにも代え難い財産です。

取締役会長 斉藤 恵三

最初導入した頃、多大なる技術の積み重ねがいるということで扱いは簡単じゃありませんでした。射出成形機は金型をかければどんどん作れます。ブロー成形はそうじゃない。でもそういう煩雑なものだからこそ、うちの長年培った技術でやれたのです。

新工場内部
新工場内部
JEB-7ブロー成形機
JEB-7ブロー成形機
代表取締役社長 齊藤 行男

新しい技術であるブロー成形を導入することはもちろん心配もありましたが、機械のしくみは一緒なので、後は経験の問題でした。
もともと成形の経験があったから、意外と応用展開は簡単だったのだと思うのです。

常務取締役 斉藤 俊雄

今でも社員の皆さんは技術向上のために日々努力しています。機械だけではなく材料や室内温度、エアー圧とかいろいろな要因が絡んで、日々微妙に製造条件も違いますから、このようなことも含めて経験・技術力なんですよね。

常取締役会長 斉藤 恵三

新工場の移転は全面移転でしたが、振り返ればこの移転は我社にとって一番の勝負どころでした。社員も頑張ってくれました。私ひとりでできることではないですから。
新工場になってからは飛躍的に受注量や売上げ、社員の数も増えました。

新工場稼働後の
製薬メーカーへの対応

常務取締役 斉藤 俊雄

新工場の稼働は、製薬メーカー各社からの評価もよかったです。

代表取締役社長 齊藤 行男

そうですね。製薬メーカーさんはかなり安心されました。建てたのは平成3年くらいですが、その頃からメーカーさんのGMPに対する考え方とレベルが年々上がってきています。今ではメーカーさんは、無菌製剤の容器を供給する私どものような会社は、自分たちの工場と同じ環境レベルでないといけないという考え方でした。新工場ができた当時は、製薬メーカーさんもまだそこまでのレベルではありませんでしたから、我社のレベルを見て「ああこれで虫やホコリの混入や付着の無い容器が供給される」と喜んでいただいていました。

未来の斉藤製作所への想い

常務取締役 斉藤 俊雄

新工場が建って20年経ちますが、ここにきて新展望も見えてきました。

取締役会長 斉藤 恵三

実は工場をもうひと棟作りたい。スペースは移転当時から用意はしているのですよ。

代表取締役社長 齊藤 行男

それに新しい製品品目も増やしたいですね。簡単ではないですけど。今の成熟市場から新しいものを出すのは難しいと思いますが、挑戦していきたいと思っています。

常務取締役 斉藤 俊雄

産業構造も段々変わってきましたから、今の人口減少、円高、空洞化という問題は今後も我々の業界に影響を与えるでしょう。

取締役会長 斉藤 恵三

だからこそ、プラスチック成形に関わってきた経験と技術力で更なる品質向上に挑み、新しい素材を応用した新製品の開発にも取り組みたい。これからも時代とお客様のニーズにあった容器を作り出していかなければならないと思っています。

常務取締役 斉藤 俊雄

我社もISO9001の承認を取得しました。今年の目標は「より安全、安心な製品をお客様にお届けする」ということです。これは今年に限らず継続的に続け、安全・安心を第一にお客様に信頼される製品作りを目指して頑張っていきたいと思います。

代表取締役社長 齊藤 行男

これまで培ってきた技術でいろいろな製品を作ってきましたが、プラスチック成形の基礎はあるのでそれを探求して、斉藤製作所の新しいコアとなる次の商品を社員と一緒に作りたいと思っています。現在創業65年になりますが、これから先は次の時代を担う斉藤製作所ということで、いろいろな分野にプラスチック成形の技術を応用していきたいと思います。
今の若者は何も興味を示さない人が多いようですが、その中でも我社に来て、関心高くモノ作りをやってくれる人もいます。やはり日本はモノ作りの国なので、そういう若い人達の意識も変えていく、「モノ作りニッポン」を受け継ぐ位置づけをできるような会社にしていきたいと強く思っています。

取締役会長 斉藤 恵三

最後になりますが、斉藤製作所がここまでくるには、たくさんの苦労や試練がありました。それを乗り越えられてきたのも、お客様や社員の皆さんのおかげです。これからもお客様から信頼されるプラスチック成形メーカーとして弛まぬ努力で、益々発展し続けていきたいと思っています。

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